好きな色は何?
「ピンク。」
「緑。」
「青。」
うん、普通。
じゃあ、
「黄。」
……とは、あんまり言わない。
みんな「黄色」って言う。
なんで?
よく考えてみると、色ってだいたい呼び捨てだ。
赤。
青。
白。
黒。
緑。
みんな呼び捨て。
ところが、黄色だけ違う。
黄色。
なんか”色”まで付けてもらってる。
まるで、
「赤。」
「青。」
「緑。」
「黄色さん。」
みたいな扱いだ。
黄色だけ敬称付き。
なにそのVIP待遇。
信号でもそう。
赤で止まる。
青で進む。
黄色で止まれる準備をしましょう。
ここでもちゃんと「黄色」。
「黄になりました。」
なんて聞いたことがない。
黄色だけ、どこへ行っても”さん”付けで呼ばれる。
よほど偉いのか。
「いやいや、黄色だけじゃないんじゃない?」
と思って、他の色も調べてみた。
黒。
呼び捨て。
白。
呼び捨て。
赤。
もちろん呼び捨て。
青。
呼び捨て。
緑。
呼び捨て。
紫。
これも呼び捨て。
紺。
やっぱり「紺」。
橙。
……いや、普段はオレンジって言うな。
これは審議。
ここまで調べても、黄色のライバルは現れない。
やっぱり黄色だけ、”さん”付けされる特別待遇らしい。
「黄色さん、おはようございます。」
色界ではそういう序列なんだろう。
……と思った、そのとき。
茶色。
あれ?
「茶」とは言わない。
「茶ください。」
と言われたら、色じゃなくて飲み物が出てくる。
茶色も、どうやら”さん”付け組だった。
さらに調査を進める。
黄土色。
……ん?
「黄土」とは言わない。
しかも、
黄土色の中に”黄”がいる。
やっぱりお前か。
黄色、お前だったのか。
よくよく考えたら、茶色もなんか黄色っぽい要素あるし。
黄色さんよ、そこまで自分の勢力を拡大していたのか。
ここまでくると、もう仮説は一つしかない。
黄色には、
人に”色”を付けて呼ばせる力がある。
だから、
赤「呼び捨てでいいよ。」
青「俺も。」
緑「気にしない。」
黄色「”色”まで付けてもらっていいですか?」
ということなんじゃないか。
世の中には、知らなくても一切困らないことがある。
でも、一度気付いてしまうと、もう戻れない。
これから誰かが「黄色」って言うたびに、
「あ、また”さん”付けされてる。」
と思ってしまう。
その責任は、たぶん黄色にある。
そんなことを思う今日この頃。。。
