知財レポート7|海外品の模倣対策は“見た目の権利”が効く

Q. 海外からの模倣品に悩んでいます。どの知的財産権が一番効きますか。

A. 模倣対策には“見た目を守る権利”である意匠権と商標権が最も効果的です。税関差止やEC削除依頼で即効性があります。

はじめに

海外から商品を仕入れて販売するビジネスが増える中、避けて通れないのが「模倣品」の問題です。 正規品とそっくりの偽物が市場に出回ると、売上が奪われるだけでなく、ブランドの信用まで傷ついてしまいます。

では、模倣品から自分の商品を守るには、どの知的財産権を取っておくべきなのでしょうか。 結論としては、意匠権と商標権が最も効果的です。

知的財産権それぞれの権利は「何で」決まるのか

まず、各知的財産権がどのように権利範囲を決めているかを整理します。

<特許・実用新案>

技術を守る権利です。 権利の範囲は、出願書類(文章)に書かれた内容で決まります。 つまり、文章を読み解いて「どんな技術を守っているのか」を判断します。

専門的で複雑なため、判断には時間も知識も必要です。

<意匠>

商品の見た目(形・模様・色など)を守る権利です。 図面や写真と、実物の見た目を比べて判断します。

<商標>

ブランド名やロゴなど、見た目や呼び方を守る権利です。 パッケージの表示やロゴを見て判断できます。

税関の模倣品チェックは「見た目」が重要

日本の税関は、海外から届く貨物をチェックし、模倣品の疑いがあれば通関を止めます。 しかし、税関職員は知財の専門家というわけではありません。

<特許は税関では判断できない>

特許侵害を判断するには、

  • 明細書の内容を読む
  • 技術的な特徴を理解する
  • クレーム(権利範囲)を解釈する といった高度な作業が必要です。

これは、税関の現場で短時間にできるものではありません。 そのため、特許は水際での模倣対策には向いていません。

<意匠・商標は税関が判断しやすい>

一方、意匠や商標は「見た目」で判断できます。

  • ロゴが同じ
  • デザインがそっくり
  • パッケージが似ている

こうした点は、税関職員が貨物を目視するだけで気づけます。

さらに、権利者が税関に「輸入差止申立て」をしておけば、 模倣品の特徴や正規品の情報が共有され、チェックがより確実になります。

海外品の模倣対策は「意匠権・商標権」が最適な理由

まとめると、海外品の模倣対策として意匠権・商標権が強い理由は次のとおりです。

<理由①:税関が止めやすい>

見た目で判断できるため、模倣品を発見しやすい。

<理由②:ECサイトでも削除依頼が通りやすい>

Amazonや楽天などでは、商標・意匠に基づく削除依頼が最もスムーズです。

<理由③:模倣の多くは「見た目のコピー」>

海外製品の模倣は、技術よりもデザインやロゴのコピーが中心です。

まとめ:海外品を守るなら「見た目の権利」を取る

海外から商品を仕入れて販売するなら、模倣品対策は必須です。 特許は技術を守る強力な制度ですが、税関での判断には向いていません。

だからこそ、 海外品の模倣対策には、意匠権と商標権を取得しておくことが最も効果的です。

水際で止めやすく、ECでも権利行使しやすい。 「見た目で守る」ことが、海外品ビジネスを安全に進めるためには非常に有効です。

よかったらシェアしてください
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次